種子に覚醒の自然プロセスを人工的に再現することを種子の層状処理と呼びます。この手順は家庭でも実施可能です。春に多年草の種子を播くためには、自然の冬の条件を模倣する必要があります。地中に落ちた種が葉や雪に覆われ、湿気と微量元素を吸収し、その外殻が柔らかくなって春の覚醒に備えるような条件です。
種子の層状処理とは何か
層状処理とは、種子を湿った環境下で低温(2~5週間)に保つことです。この手順により、種子は胚の休眠状態に入り、温かい土に置かれたとき「春」が訪れたように感じて活発に発芽を始めます。事前の冷却を経ずに播いた種子は、単に地中で腐ってしまう可能性があります。
多年生ハーブすべての種子に層状処理を施すことが望ましいとわかりました。たとえば、 オレガノ , タイム , ローズマリー , ラベンダー , ヒソップ , レモンバーム, エストラゴン などです。昨年、層状処理を行わずに播いた結果、大量の種子が発芽しませんでした。しかし、その時は鍋に2~3本の植物だけで十分だったので大きな問題にはなりませんでした。それでも、ルールはルールです。
自宅での種子の層状処理方法
種子パックに層状処理の必要性やその期間について指示が書かれているわけではありません。しかし、特にラベンダーの種に関しては、層状処理を推奨する説明をよく見かけます。この処理はラベンダーにとって必要であり、0~5度の温度で約1か月かかると言われています。読者の一人は、冷却を受けた種は2週目で発芽し、冷却を受けていない種も問題なく発芽したという体験を共有してくれました。このように、冷蔵庫での「苦労」が本当に必要かどうかは悩ましいところです。
オレガノ、タイム、 マジョラム , セージ , ローズマリーの場合、層状処理は必須ではありません。しかし、種の質が不安な場合は、約2週間冷却してみるのをおすすめします。一方、高麗人参、サンザシ、オキナグサ、サクラソウ、モミの木、トウヒ、マツ、クレマチス、ゲンチアナには層状処理が非常に必要です(この情報が役立つ場合があるかもしれません)。層状処理が必要な植物の明確で信頼できるリストを、園芸百科事典ですら見つけることができませんでした。
家庭で種子の層状処理を行うには、冷蔵庫を使用するのが一般的です。種子を1時間だけ濃いマンガン溶液(100mlの水に1gのマンガン、暗い深紅色)に浸し、その後すすぎます。ただし、市販の処理済み種子(コーティングや殺虫剤処理されたもの)は浸してはいけません。大量の種子の場合、湿った砂を層ごとに加えて冷蔵庫に保管します。少量の種子であれば、以下の方法をご提案します。今回は「メディカルラベンダー」の種子を例に説明します。
ラベンダーの種は小さいため、砂で覆うのは難しいです。経験豊富な園芸家の方法を参考にしました。ジップロック袋の内部を過酸化水素で拭き、準備しました。種子の消毒処理は行わず、昨年の播種でも特に問題がなかったので、今回も問題ないと考えました。その後、濾過した煮沸水を2枚のコットンパッドにスプレーし、1枚に種子を配置し、もう1枚で覆いました。
これを袋に入れ、冷蔵庫の冷凍室下の最も冷たい場所に置きます。その部分の温度は約1~3度です。3日目から袋の中の空気を循環させるため観察を始めます。
以下のような推奨事項もあります:
- 層状処理時の種子加湿には、雪解け水(自然の雪)を使用する。
- 種子に成長促進剤(エピンやジルコン)をスプレーすること。
- 暖かい温度と冷たい温度を交互にし、徐々に温度を上げていきます。夜は冷蔵庫で、昼は窓辺に置きます。
ラベンダーの層状処理の結果については、必ずご報告します。